強くなるためには様々なもんが必要や、何か二つ三つ飛び抜けた物があっても

 ほんまに強い奴とやり合って勝つにはそれでは全然足りん

 先ず最後の最後まで油断せず気を抜かんズバ抜けた集中力、追い詰められようとも焦らぬ平常心

 相手の癖・隙・弱点を素早く見抜く鋭い洞察力、そしてその癖と隙を利用して

 如何に的確に弱点を突くかを考え出せる回転の速い頭

 相手の全てを感じ取れる優れた感受性と鋭い動物的野生の勘

 そして己自身を知ると言う事


 絶対に必要なものを軽く挙げただけでもこれだけある

 他にも絶対必要なものはまだまだあるが大よそ基本となるのはこの七項目やろ

 よってこの七項目すら身に着けられん奴はブッチャケ強くなる事は諦めろ

 気合いと根性でほんまに強い奴とやり合って勝てるんはフィクションの中だけやと思え

 ほんまに強くなれるんは、いわゆる選ばれた人間だけと思って間違いない

 特に感受性や勘は持って生まれたものが大きいからの

 まぁ欠片でも持ってればそれで十分やけどな

 どっちも鍛えて伸ばす事は可能やからの


 それでは何故この七項目が必要なのか簡単な図を交えて説明していこ

    

 まずこんな感じでそれぞれがそれぞれと密接に絡み合って基礎を成してる

 高い集中力を維持するためには平常心が必要になり

 逆に平常心を保つには集中力が必要になる

 優れた洞察力を発揮するためには集中力と平常心が必要になり

 的確に相手を攻める手立てを考えるには

 集中力・平常心・洞察力が必要となり、そこに勘と感受性も大きくに絡んでくる

 そして集中力・平常心・洞察力・回転の速い頭・感受性・野生の勘

 これらの能力を伸ばすためには己自身を知る必要がある

 すなわちどれが欠けてもほんまに強くなるための基礎は成り立たん


 勘と感受性についてはガキの頃から鍛えておく必要があるやろ

 この二つだけはほんま特殊やからの

 なんぼ遅くても高校ぐらいから始める必要があるの

 年取ってからやと余計な先入観や固定観念とかが邪魔してきよるやろうからな

 ちなみにワシは小4ぐらいの時から意識して勘と感受性は鍛えてきた

 何故そんな時から出来たかと言うと

 物心付いた時には既に大の時代劇好きでな最強の剣士になる事が1番の夢やったからや

 っで、ガキの頃から漠然と勘と言うものは凄い大事なものやと思っとったからな

 感受性についてはブルースリーの考えるのではなく感じるのだと言うあの言葉と

 人は決して見かけによらんと言う実体験が切っ掛けで鍛えるようになった

 ワシにとってガキの時、ブルースリーと人は見かけじゃないって事を知ったのは大きかった

 これがなければ恐らく感受性を伸ばすような事はせんかったやろ

 相手の全てを感じ取れる感受性を身に着ける事が出来ればそれは途轍もない武器となる


 それぞれの項目を伸ばすコツとしては先にも述べたようにまず己自身を知れ!!

 日々己自身を観察して自分がどう言う人間かをとことん知れ徹底的に知れ!!

 そうすれば自ずとどうやれば伸ばせるのかも分かってくるはずや

 例えばワシは鋭い勘を養うのに当たり付きのお菓子で鍛えてた

 ワシ結構当たり引いとってな

 手っ取り早く勘を鍛えるんはこれが1番ええやろと思ってやってた

 ワシにとって勘を鍛えるには確かに最高のやり方やったんやが

 結果としてあまりにも立て続けに当てまくるもんやから

 駄菓子屋のオバハンに次当たっても何もやらんでって言われた

 ガキとしてのワシからすればいささかショックやった


 己自身を知る事が出来れば自ずと人を知る事も出来る様になってくるやろ

 そしてそれが行く行くは鋭い洞察力と優れた感受性へと繋がって行く事になる

 先にも述べたように感受性を鍛えると何故途轍もない武器になるかと言うと

 相手の全てを、存在その物を、本質を掴む事によって

 呼吸・リズムが分かる

 それが何を意味するかと言うと

 それらが分かる事によって相手が攻撃を仕掛けて来るタイミング・場所が分かる様になる

 またこの感受性に勘を併用する事で相手の先の動きがハッキリと見える様になってくる

 ワシの実体験から言って相手はほぼ100%ワシの先読みした通りの行動に出る

 そして更に洞察力を加える事により相手の隙を見分ける事が出来る

 隙には相手の攻撃を誘うためのにわざと作ったものと

 自分自身も全く気付いてない本物の隙とがある

 この隙の見分けは相手が強ければ強いほど重要や

 ほんまに強い奴はそう簡単に攻撃当てさせてくれへんからの


 ここからは更に必要な物を書いていこう

 まず常に防御の意識を持つ事や

 勿論攻撃に出る際にも防御の意識を持たんといかん

 特に今の日本の格闘家にはこれがちゃんと出来てる奴がおらん

 そやからしょ〜〜もない攻撃であっさりKOされよる

 常に防御の意識が必要なんは簡単に説明すると

 いきなり鳩尾殴られるのと今から殴るぞって言って殴るのとでは

 同じ力でも受けるダメージは段違いやろ

 そやから例え相手に完璧に綺麗にカウンター合わせられても

 意識下できっちり防御が出来てればダウンしたとしてもKOされる事はない

 打たれ強い奴なら絶対ダウンもせん

 逆にどんなに打たれ強い奴でも防御の意識がなければ

 ただ掠っただけの攻撃であっさりKOされる

 ボクシングやK-1でもよ〜そんなシーンがあるやろ

 アホな解説者は威力が凄いから掠っただけでも効くんですよ

 なんて戯けた事言っとるけどな

 ほんま笑かすで


 そして更に必要なのが柔よく剛を制すって事や

 笑かすついでに言えばこれを1番分かっとらんのが日本の柔道家と相撲取りや

 ほんま何を考えとんねん!!って思うで ワレ〜

 小手先の事にばっかりに気を取られてて肝心な事が何も分かってない

 ワシも164センチとチビなだけに柔よく剛を制すって事が

 どれだけ大切な事かが良く分かる

 それが分かってないアホ共はただ単純にスピード・パワー・技に走りよる

 そんなもんいくら鍛えたところで大人と子供ほどの差がない限り通用せん

 随分前の話になるがあるK-1選手が修行のためにある空手道場の門を叩いた

 そしてある日そのアホなK-1選手は

 もっとキックやパンチの練習をした方が良いんじゃないかと言うような事を館長に進言した

 そして館長はこんな様な事を言った

 練習すれば上手くはなるが強くはなれんと

 その時のアホなK-1選手の不服そうな顔は今思い出しても笑けてくる

 正にド未熟者め!!っと言うしかない


 続いて必要になるものは恐れを受け入れてそれを楽しめる心や

 これが必要なのは総合の選手で説明すると分かり易いやろ

 ヒョードルとノゲイラが何故強いのか

 何故ミルコはヒョードルとノゲイラに勝てないのか

 理由は至って単純明快

 前者二名は互いに相手の間合い、言い換えれば相手の得意とする土俵に

 踏み込んで戦う事が出来るからや

 またそれが出来んと相手に勝たれへん事をよく分かってるからや

 それに引き換えミルコはビビッて相手の間合いに入る事が出来ん

 格下相手ならそれでもよかろう

 だが格上相手ならそいつの間合いに入れん限り絶対に勝つ事は出来ん

 ミルコもまた小比類巻同様ド未熟者と言う他はない


 他には冷酷性・いつでも死ねる覚悟・いつでも命をドブに捨てられる覚悟も必要や

 冷酷性の無い奴はしょ〜もないところで情に流されてヘマを打った挙句やられる

 いつでも死ねる覚悟の無い奴はいざと言う時に命を惜しんでビビッて

 思うように動けんようになる、また同時に平常心も失う


 何故ワシが精神面の事を先に挙げたかというと

 肉体は5年も掛ければ完璧に仕上がるが

 精神面は自身の性格に大きく影響を受けるが故にちっとやそっとでは

 鍛え上げる事が出来んからや

 ワシ自身ここに書いた事以外も含めて基礎を完璧に自分のものにするのに

 ガキの頃本気で強くなろうと決心してから20年近い歳月を要した

 頭で理解出来てても実際に実践するのは至難の業やからの


 他にもまだまだあるがいちいち挙げとったら切りがないから

 ここからは肉体面の事を書こう

 肉体面で身に着けておく事はただ一つ打たれ強い体や

 ただそれだけや

 打たれ強い体の作り方はめっちゃ簡単、幼稚園児にだって出来る

 ただ自分で体を叩けば良い

 ウッ!!今のはちょっと効いたなってぐらいの力で毎日叩け

 打たれ強い体が出来上がるまで少々時間が掛かるが

 ボクサーがやってるみたいに殴らせるとか

 ボールをドッスンドッスン落とすとか言った様な

 必要以上に体に負担を掛けるやり方は愚の骨頂や

 あれは体と言う物の仕組みを全く理解出来てない証拠でもある


 最後に心得の一つとして必要以上に拘りを持つな

 まずある程度まで強くなるにはそれなりに拘りは必要やが

 ある一線を越えると今まで持ってた拘りが逆に仇となり壁となる

 そのレベルまで辿り付けたら余計な拘りはどんどん捨てて行け

 それが出来ん奴は誰もが辿り付けるレベルまでしか強くはなれん

 それとここに書いてある事は必要最低限以下のものやからの

 よくよく鍛錬して悟りを開くべし


                          

強くなるために必要なもの